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蒲田の定食屋とベルリンの壁

友人が台湾から遊びに来た。

翌日の早朝に羽田空港から帰国する彼のために、空港に近くて面白い場所を探すことにした。

 そういえば蒲田はどうだろう。


蒲田は、羽田空港から電車で20分という好立地にあって

歩いていると、旅行者やキャビンアテンダントをよく見かける。

蒲田にはうまい飯屋といい呑み屋が多いという話もよく聞くし。

 

よし、蒲田にしよう。

まず飯屋を歩いて探した。僕含め合計6人の腹を満たさなくては。
そして、見つけたのが蒲田西口商店街にある「定食屋 壱番隊


店内に入ると、カウンターには料理がずらり。

右は鯖の味噌煮から始まり、鯛の塩焼きが左端に置いてある。


久しぶりに会いに行ったお婆ちゃんが張り切って、食べきれないくらいの料理を作って孫を待っていた。

そんな雰囲気のお店だ。

(店主は、70歳のおじいちゃんだけれども)

 

壁にはお品書きが貼られている。

その一つに「ドイツソーセージ」という文字が。

なんだかもうビールが飲みたくなった。


迷いに迷って、サバの味噌煮定食を注文

店内には僕ら6人以外に客はいなくて、6人分の定食が20分もしないで出てきた。


サバの味噌煮、うまかった。
白米、お味噌汁にひじきとお新香。
全部が手作り。最高にうまかった。

 

うまかったのはご飯だけではない。


おじいちゃんの話もうまかった。

タバコの火が消えると同時にまた一本出して、ビールを飲みながら店主のおじいちゃんは色々と話してくれた。

 

実は、店主のおじいちゃんは今から50年も前にドイツで4年間日本食料理人として暮らしていたらしい。

話はドイツのサッカーから始まり、当時のドイツでの暮らしや遊び、料理のことまで広がって行く。

時々おじいちゃんの口からドイツ語が出てきて、2015年に数週間ベルリンにいた時のことを思い出した。

 

ネットで知り合ったドイツ人女性の部屋の廊下で寝たこと。

日本の家庭料理が食べてみたいと言う彼女のためにすいとんを作ってあげたこと。

1週間も彼女にお世話になった挙句、"また帰ってくる"と伝えてズボンとパンツを置いてきたこと。

 

店主との会話で1番印象に残った一言は

「休学してでも何でもして、海外に行けばいいのさ。今だよ今。」

 

まさかここ蒲田で、ベルリンの壁が壊されていない頃の話を聞けるとは思ってもいなかった。

ちなみに、最後に交わした会話の内容は美味しいすいとんの作り方

どうやら、牛蒡(ごぼう)が決め手らしい。

 

「定食屋 壱番隊」

また、行こう。